大阪・奈良漢方研修旅行

OSAKA&NARA

研修1日目後半

2022年10月15日

宮本 竜太朗

第1日目後半 適塾~太平寺

適塾

適塾は幕末における洋楽研究の第一人者である緒方洪庵が開いた学塾です。

適塾には蘭学を志す若者が全国から集まりその数は千人にも達したそうです。

その中には福沢諭吉や橋本佐内、大村益次郎など明治維新や日本の近代化に貢献した人物たちもいました。

緒方洪庵はこの地で、診療活動に励むかたわら、蘭医学を研究し、数々の著訳書を翻訳、出版、さらに塾生の教育を行いました。

また種痘事業やコレラ治療などの社会問題などにも取り組みました。

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適塾は現存する我が国唯一の蘭学塾の遺構であり、江戸時代の町屋の姿が保存されています。

 

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<塾生大部屋>

塾生には畳1枚分が割り当てられ、寝起きも学習もその範囲で行いました。

成績順で好みの場所を選べたそうです。

 

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<ヅーフ部屋>

当時のオランダ商館長ヅーフ・ハルマが作成した欄和辞典が残されています。

適塾の教育の中心は蘭書の会読であり、その予習のために塾生は奪い合ってこの辞書を使用しました。

幕末から明治にかけて時代を切り開いてきた人物達の修行時代の場所を見学したことで、自己研鑽を積んでいかねばという思いが湧き、自らを省みる良い機会になりました。

 

太平寺

太平寺は虚空蔵菩薩を祀ったお寺で、大阪では十三参りのお寺として親しまれています。

十三参りとは、数え年で十三歳になると虚空蔵菩薩にお参りをして、元服した姿をお披露目するとともに、知恵と福徳を授かる行事です。

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<マニ車>

マニ車(経車)の中にはお経が納められており、これを手で回すとお経を一巻お唱えするのと同じ功徳があるといわれています。

 

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境内の中には、江戸、元禄時代の名医の北山壽安が刻んだ不動明王が祀られています。

北山壽安は貧富に関わらず診療を行い、富めるものからは礼金をもらい、貧者からは薬だけでなく米までも施しました。

今回の研修旅行で見学した道修町は壽安の治療に用いた生薬の供給のために形成されました。

医は仁術を体現した壽安の不動明王をお参りし、名誉や利害にとらわれず患者様のために最善を尽くす気持ちを常に持っていたいと気が引き締まりました。